神奈川/Kanagawa

Wine Cellar Nommelier (ノムリエ)

Key Features

・毎月数日のみオープンするワインショップ
・クラッシックなワインを中心に1,600前後のアイテム数
・フランスワイン、特にボルドーワインの品揃えは圧巻
・旧世界のワイン+カリフォルニアワインの宝の山
・取り扱うワインのヴィンテージにも魅力あり

宝庫。小説などの書籍で使われることはあっても、普段の口語で使われることはあまりない言葉。そしてワインショップについて書く時にも、使いそうで使うことはあまりありません。しかし敢えて「ワインの宝庫」と使いたくなるお店が、神奈川県川崎市にありました。

それがここ、ワインセラーノムリエ(Nommelier)。「ワイン館ノムリエ」と表記されることもありますが、このページではワインセラー ノムリエ、と呼ぶことにします。ここは元々、ある企業の酒類事業のワイン倉庫(セラー)でした。そのワインセラーを一般消費者の方にも開放しよう、ということでワインショップの業態も始めたのが約16年前。今もワイン倉庫・ワインセラーとしての役割の方が大きく、そしてショップとしてオープンする日は限られている、という稀有なお店。

そんなワインセラー ノムリエ、本当に宝の山です。

ワインセラーノムリエ1
お店の入り口。

ワインセラー ノムリエは、神奈川県川崎市宮前区にあります。電車だと田園都市線の宮前平駅、たまプラーザ駅や鷺沼駅あたりが近いと言えば近いのですが、歩くと少し遠い(20分くらい)。ただ宮前平駅などからバスが出ていて近くに停まります。なお、車だと東名川崎インターチェンジを降りてすぐ。駅から遠いところにある取扱アイテムが多いワインショップには良いお店が多い、という法則が当てはまるお店ですが、車ではとても便利な場所にあります。

隣は「パスポート」という、このワインショップを手がける運営会社が運営する酒販店。ワインセラー ノムリエの入り口は一見分かりにくいのですが、その酒販店の裏手(隣)に倉庫があり、その横あたりに小さくショップの看板が置いてあります。その看板を見つけて、その先に目をやると、倉庫と酒販店の建物の間、少し奥まったところに外階段があり、そこを昇ると、この上の写真の入り口が見えてきます。

なお、ワインショップ としての営業日は、毎月第一土曜日から月曜日、それに続く水曜日、金曜日~第二日曜日、毎月最終土日が営業日。そのため毎週末開いているわけではないので、要注意です。

Google Mapから拝借。
この倉庫とピンク色の建物の間の奥に階段が。
この写真には写っていないが、少なくともオープンしている日は看板が出ているはず。

この入り口を入ると、ワインセラーへと続く全体的に木目調・タイル調の小部屋が。

ワインセラーノムリエの入り口2
小部屋にはワイン雑誌やグランヴァンのエチケットが並ぶ。この部屋からすでにセラーっぽい雰囲気が出ている。

そしてこの部屋の奥へと続く扉を抜けると。。。

Wine Cellar Nommelier 店内
想像以上に広い。。。

おぉ!!と思わず驚きました。そこにはズラリとワインが。

常時1,600アイテム、16,000本前後のワインを扱っている、ということでしたが、ヴィンテージ違いなんかも含めればもっと多そう。。。そんな気さえしました。そして上の写真では明るく見えますが、もう少し照明を落とした感じで、ワインの木箱に移ったワインの香りを感じることのできる、心地良い雰囲気が漂っています。

私がお伺いした際は、決算の期末直前、ということもあって在庫が少ない時。それでもこの感じ。ということはいつもはもっと箱が詰まれていて、棚にももっとワインが隙間なく並んでいるんでしょうね。

ボルドーワインの品揃えが圧巻

そんなワインセラー ノムリエでは、様々な国のワインを取り扱っているのですが、その中でも圧倒的に多いのはフランスワイン。

そしてその中でも特にボルドーワインの品揃えが圧巻。

Wine Cellar Nommelier ボルドーワイン
この棚は全てボルドーワイン。。。
思わず見惚れてしまう。。。

何でこんなにボルドーワインが。。。と思ってお店の方に話を伺ったところ、それはこのお店のルーツに由来するところでした。

ワインセラー ノムリエがワインショップ として開店したのが2006年。その10年以上前の1995年頃から会社の酒類事業としてワインの買付けと輸入がスタート。そして何と、以前はボルドーワインの取扱いでは有名なインポーターのT社さん(分かる人にはすぐ分かると思います)とパートナーシップを組んでいたそうです(今はパートナーシップがあるわけではないそうなので、一応名前をイニシャルにしておきます)。その頃に買い付けたヴィンテージ物の在庫や、当時からの現地との繋がりなどもあり、T社さんとの関係は直接的にはなくなっている今でも、ボルドーワインを中心とするフランスワインの取扱いが非常に多いよう。

もちろんボルドーのみならず、ブルゴーニュも結構な品揃え。しかも同じ生産者の村違い、畑違いのワインが揃っているアイテムも多数。

ワイン館ノムリエ ブルゴーニュ
ボーヌ名門のジョセフ・ヴォワイヨ。最近のブルゴーニュワインの高騰を考えると比較的手が届きやすい?この価格ではあまり他では見つけられないかも。
Wine Cellar Nommelier ブルゴーニュワイン
樹齢の高い葡萄から造られる、ジョルジュ・リニエのピノ・ノワール。置いてあるワインのヴィンテージがまた魅力的なんですよね。。。

もちろん、シャンパーニュ、ロワール 、ローヌ、南仏のワインについても色々なアイテムを取り扱っています。だから見ていてとても楽しい。

シャンパーニュ ノムリエ
せっかくなので他ではあまり見ないものを、という考えで揃えられているシャンパーニュも気になるものばかり。
Bandol ワイン ノムリエ
こちらで購入したBandolの白ワイン。3,000円台のワインで素晴らしい味わい。

旧世界+カリフォルニアワインを中心に、クラッシックなスタイルのワインが充実

なお、フランス以外の国で言うと、旧世界のワインがかなり充実しています。イタリア、スペインを始めとしてかなり数多くの旧世界のワインがあります。驚いたのはポルトガルのワインも取扱いが結構あったんですよね。そして新世界ではカリフォルニアのワインが多い。

個人的な印象ではありますが、ワインセラー ノムリエさんの特徴的なところは、ボルドーワインを中心に非常にクラッシックなスタイルのワインが多く、逆に自然派ワインが少ない(栽培がオーガニックとかリュットレゾネとかは結構ある)。そのため、クラッシックなスタイルのワインを探している時には本当にありがたい存在。

ノムリエ カリフォルニアワイン
ナパヴァレーの女神、と言われるアミューズ・ブーシュのVin Perdu、その隣にもそのまた隣にも素晴らしいワインが。。。

そしてワインセラー ノムリエのもう1つの魅力が、高級ワインだけ扱っているわけではなくリーズナブルながら高品質のワインの品揃えも充実しており、逆に高級ワインの品揃えもかなり充実しているところ。

ENIRA ワイン
ハプスブルグ家の末裔でサンテミリオンのグランクリュも所有する伯爵がブルガリアで造るワイン。1,000円台(税込だと2,000円を少し超える)とは思えない味わいのバランス。こういうのも結構取扱がある。
ヴェリテ ワイン
と思ったら、真逆の至極のワインも多数。

「様々なワインの楽しみ方を知ってもらいたい」というコンセプトから、価格帯も1000円台からハイコスパのワインが結構あり、取扱のワインの価格帯としても3,000円から5,000円台のワインもかなりある一方で、1万円に近いワイン、更に5万円以上の価格帯のワインもかなり多いです。その代わり新世界はカリフォルニアを除けば多くはありません。クラッシックなワインを追求しているからこそ、なのかもしれませんね。(そういう意味ではそれに値するような新世界の他の国のワインはちらほらありました。)

宝の山、ワインの宝庫、と呼んでもいい所以。

先ほどお伝えした、「様々なワインの楽しみ方を知ってもらいたい」という想いは、売り場の随所に現れています。なかなか他では見かけないワインもかなり多い、というのもその1つ。そして何よりも個人的に凄いなぁ、と感じたのは、先ほど少し触れましたが、ヴィンテージが少し前の年、またはオールドヴィンテージのものが結構多い。これもとても魅力的なポイントだと思います。これはどの価格帯のワインにも当てはまります。

しかもヴィンテージが古くなったから極端にワインの価格が上がっているかというと、そこまで凄い値上がりしている感じがしない。ヴィンテージだけで考えても、もう他のお店では売り切れていそうなものが置いてあり、更に各ワイン自体も、王道のワインから、なかなか見ないものまで、幅広い。

「え、このヴィンテージがこの価格で?もうピーク過ぎているかも?」と思わせてくれるような価格で販売している少し前のヴィンテージのものがたくさんあるんですよね。もうここでしか出会いのではないか。そんなことを感じさせてくれるワインが、多数ある。

これこそが、ワインセラー ノムリエの最大の魅力かもしれません。

貴重なドイツワイン。ライヒスラート・フォンブールのグローセス・ゲヴクス(GG /いわゆるグランクリュみたいなもの)でオールドヴィンテージ。エチケットがかっこいい。
ウニカ ワイン
2014年にオープンして瞬く間に話題のボデガ・モルカの『トゥーラン』は、インポーターでは今は2019年を販売しているが、こちらでは2016年。
Soaveで2013年ヴィンテージってなかなか見ない。

全体がワインセラーならではの品質管理

ワインセラー ノムリエは、前述のとおりセラー・倉庫としての役割を担っている場所を売り場として開放しているのですが、ワインショップとして営業を開始する際、スタッフに日曜大工が趣味の方がいて、手作りでお店の棚やレンガ部分を作って、また天井や天井裏の空調も含めた工事も行ったそうです。結構雰囲気あるのですが、これが手作りとは凄い。。。

そんなことをお伺いしながら、ワインの棚やコルクで作られた柱を見たりしていると、天井には細かい穴が開いてることに気づきました。珍しいなぁ、と思ったら、天井から冷気が全体的にゆっくりと下りてくる仕様になっているんですね。そのため、常にお店及び倉庫全体が一定の気温・湿度に保たれるようになっているそうです。だからワインの品質も安心。それにショップとして運営している日も限られているから、ワインが動かされることも少ない気がしますしね。

オープン当時の雑誌記事。当時から穴場扱いだったよう。店内は手作り感を感じさせない雰囲気が漂う。

なお、こちらのお店を運営している株式会社パスポートって、ご存知ですか?パスポート、というそのままの名前の酒販店も運営していますが、実はあの業務スーパーへもフランチャイズ加盟し、出店している会社なんです。これにはちょっと驚きました(そしてワインセラー ノムリエのお店の前にも業務スーパーを出店されています)。

そして、こちらのオンラインショップ(Yahooショッピング)は非常に充実。だからオンラインショップで購入すればいいのでお店に行く必要は必ずしもないのですが、全てのワインがオンラインで購入できるとも限らず、またこの品揃えやワインのラインナップは、お店に直接行くと一層感じられて、本当に時間を忘れて楽しめます。

スタッフの方もプロの方ばかり。一度立ち寄って、オススメのワインを尋ねれば、的確な答えと興味深いワインを教えてくれて、きっと非日常的な体験にもなると思います。

私も久々に行きたくなってきた。。。近々行こう、あのワインの宝庫に。

General Information

Wine Cellar Nommelier (ワインセラー ノムリエ)

住所:神奈川県川崎市宮前区犬蔵1-23-13
電話:080-3513-5923(担当者が公休や勤務時間外など不在時には繋がりません)
WEB: https://store.shopping.yahoo.co.jp/nomigorowineya/
   ※ネット販売不可で実店舗のみの販売としている商品もあり
営業日時:10:00~18:00( 毎月第一土曜日から月曜日、それに続く水曜日、金曜日~第二日曜日、毎月最終土日が営業)
上記以外はクローズ