神奈川/Kanagawa

宮川酒店

宮川酒店ロゴ

Key Features

・地元の人と人を繋げる酒場的酒屋
・里山に佇む個性派なお店
・自然派ワインのセレクトが光る
・月の満ち欠けに合わせた酒場イベントを主催
・毎週金曜日は角打ちイベントも

あぁこういう酒屋さん、地元にあったらなぁ。癒されるなぁ。

宮川酒店と出会ってお店を出た時の感想は、まさにこの一言に集約される。そんなお店でした。

何が?

何でしょう。あまりいい言葉が見つかりませんが、他ではなかなか出逢うことのないワインとの出会い。人と繋がりの強い雰囲気。ゆっくりと流れる店内の時間。どれもが肩肘張らず、そこにある。そんな感じでした。

宮川酒店は、神奈川県足柄上郡中井町、というところにあります。大磯ロングビーチとか、秦野、小田原、といったところに囲まれたちょうど中間地点にあります。秦野駅や二宮駅が最寄駅で、どちらからもバスで15分ほど。目の前がバス停ですが、周りは非常に静か。これも宮酒(宮川酒店のことを宮酒と略して言ったりするみたいです。昨年法人化されていますが、会社名も宮酒。)の雰囲気に一役買っている気がします。

ワインショップ宮川酒店 外観
車が4台ほど停められるスペースが目の前にある。
宮川酒店 バス停
バスに乗って訪れる人も多い模様。
(Google Map ローカルガイド muro tさんの写真拝借)

オーナー夫妻の奥様のあやさんにお伺いしたところ、創業80年を超える宮川酒店は、酒屋としてスタートしたのち、一時期コンビニエンスストアとして営業していた時期もあったそうです。確かにお店の広さはコンビニくらいのイメージ。今のオーナー(3代目)の満洋さんがワインに造詣がある(シニアワインアドバイザー)こともあり、今のお店のスタイルになったそうです。

フランス・イタリアを中心とした自然派セレクト

車を停めて、どんなところなのかなー、なんて思いながらお店の中に足を踏み入れると、そこには期待を裏切らない、ワインの数々が。

神奈川 宮川酒店店内1
この写真に写っている棚で300近いアイテム数と思われる

店頭に置いてあるワインの数としては恐らく400〜500アイテムくらいかと思います(正確なところは未確認)。店頭にない裏の在庫も合わせれば1000近くのアイテム数を置いてあると思う、ということ。

色々な国のワインが置いてありますが、かなり多いのは、フランスとイタリア。しかも自然派のワインが多い。結構他のお店で見かけない物が多かったですが、自分が知っているワインについても、個人的に「あぁこれが置いてあったら美味しいワイン多そうだなぁ、このお店!!」と、笑顔になりながらワインを見定めてました。

宮川酒店ワイン3
見たことない。。。明らかに自然派ワインのラベル。
宮川酒店のワインたち
フランスやイタリア以外の取扱いも。
知ってたのは一番右の南アフリカワインくらい。
マリー・オヴ・モデナ
瓶内2次発酵で作るエミリアロマーニャ州の泡。
これが低価格なのにうまいんですよ。置いてあって感動。

上の写真たちはたまたまエチケットが非常に個性派なものが多いですが、クラッシックなものも結構ありました。なんか全部飲みたくなってくるんですよね、セレクトがいいと。。。価格帯としては2,000円〜6,000円くらいが多いのかな、と感じました。

ゆっくり流れる店内の時間

さて、上の写真を見るだけだと、なんだかよくあるワインショップの棚のようにも見えるかもしれません。でも実際はなんか雰囲気がいいんですよね。なんというか、落ち着く。

なぜかと考えたんですが、色々な要素がある。まずは音楽。店内ではゆったりとしたテンポラリーJazzが流れてて(たまたまその時だけかもしれませんが)、あぁワインとJazzって合うなぁ、と。心落ち着く度が共鳴。夜が似合うお店な気がしました。

次に照明。棚の木の色と相まってが全体的に柔らかい。そしてワインだけではなくてなぜか本とか置いてあって、飲むスペースもある。

宮川酒店 店内6
この電球照明がいい味出している。
宮川酒店の書籍
お酒関係の本がたくさん並ぶ

確かにワインショップとか酒屋さんに本が置いてることってたまにあると思うんですが、なぜかお店の入り口とかレジの近くに置いてあることが多いんですよ。宮川酒店では一番奥にこの書棚があって、Jazzなどの音楽がかかっているからかついつい手にとって読み込んでしまいます(笑)

なお店内の奥には冷蔵庫型のセラーがあって、こちらにもビールから日本酒、そして一部ワインが置いてあります。小規模インポーターのワインなんかもあって、いい感じ。

宮川酒店 冷蔵庫
興味を唆られるワイン多数。

月の満ち欠けに合わせた角打ちとワインバー

宮川酒店は酒屋さんですが、最も特徴的なのが角打ち。

普段もカウンターでグラスで飲めるようにはなっていますが、新月の日は田舎料理や店内にある缶詰や乾き物を提供しながらお店にある多くのワインを開けて「新月・宮酒場角打ち」が開催されます。

普段もちょい飲み比べできる。

新月角打ち、と言っても雰囲気はなんかワインバーと角打ちが融合したようなんですよね。実は私の会社のある事業所がこの近くにあることが分かったので、もしも機会があったら泊まりで新月に来たいな、なんて思ってしまいました。あ、最近金曜日も同じスタイル(キンミヤ会(金曜の宮川酒場)と呼ばれてるそうです)でやり始めたようなので、金曜日でいいかな。

宮川酒店 店内5
大きなテーブルもあるのでそこにも人が集う。
(Google Map ローカルガイド muro tさんの写真拝借)
最近はテーブルはこのポジション。
宮川酒店 新月 宮酒場
宮川酒店ウェブサイトから。いい雰囲気だなぁ。

そして満月の日には「宮酒ワインバー」と称して同じようにワインバーが開かれるようなのですが、何と最近からはこのお店で、ではなく、お店のワインや日本酒などを引っ提げて他の場所でやっちゃうんですよね。これにはぶったまげました。面白すぎます。

満月宮酒ワインバー
宮川酒店ウェブサイトより拝借

流石に出張ワインバーをやっている酒屋さん、というのはなかなか珍しい。その時々のお店やイベントに参加されるシェフによって供出される料理も変わるし、その料理に合わせたワインをシニアソムリエであるご主人、あと奥様が選ぶ。宮川酒店の近くではない方も参加できる満月ワインバーがあるかも。いつか東京でやってくれないかな。。

その他の宮酒のユニークさ

ユニークなのは酒場のみにあらず。

宮川酒店では、頒布会(定期的にワインを選んで郵送してくれるサービス)に近い、定期的な「ワイン/日本酒 お届け便」をやっています。

普通の頒布会と違うのは、好みに合わせて送るものを変えてくれる、というところ。店主にセレクトをお任せするのもあり。ビール入れて欲しい、というリクエストなどもできるようです。珍しいなぁ。自然派の中でも比較的クリーンなもの、Classicなものを中心にして欲しい、なんてリクエストも受けてくれるとすると、かなり魅力的です。

宮酒頒布会

あと宮川酒店ではビールづくりにも関わったりしてるみたいです。

お店に置いてあるビールも結構興味深いものがありましたね。日本酒も然り。

宮川酒店 日本酒

地元に密着した酒屋の魅力が満点の宮川酒店。

今回お伺いした時に購入したのは下の写真にあるワインとビール。どれも素晴らしかった。ハズレがない。個人的な好みにあっていたからだと思うのですが、まさに「自分に合うワインショップを見つけるのが自分の好みのワインを見つける近道」、という自分の考えを改めて噛み締め直させてくれたお店でした。

そして間違いなくオーナー夫妻がこのお店の最大の魅力だと思うので、今度お伺いした時にはゆっくりお話をお伺いしてみたいなぁ。

また来ます。

宮川酒店のワインたち
一番左はフランスのミュスカデ。右から2番目はドイツのリースリング。ビールは地元の厳島神社に生姜(ジンジャー)をかけた町おこしビール。

General Information

宮川酒店
住所:神奈川県足柄上郡中井町井ノ口693-10
電話:0465-81-0309
定休:水曜日、日曜日
WEB:http://www.miyagawasaketen.com