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大橋MWのテイスティングセミナー

先日、キャプランワインアカデミーで行われた大橋健一マスター・オブ・ワイン(世界でも最高峰・最難関のワイン資格で、日本人で取得しているのは2人のみ。MWと呼ばれます。)によるティスティングセミナーに参加。同じセミナーを3回やるのは相当珍しいようで、今回の3回目がこの内容でやるセミナーとしては本当に最後、とのことで、キャンセル待ちで滑り込めて本当に良かったです。

今回のセミナーは、葡萄品種や産地にはフォーカスせず、ワインの品質をどう評価すべきか、そのためにどのようなティスティングをしていけばいいのか、ということに焦点を当てたセミナー。

対象者は特段指定されていないものの、セミナーのサブタイトルが”Quality Assessment Master Class”ということもあり、想定としてはWSET Diplomaを目指しているような人向けのイメージでした。今回の参加者にも自分の知り合いでWSET Diplomaの勉強中の方がチラホラ。

ヴァンニャン
ヴァンニャン
そんな内容じゃジョンスは歯が立たにゃかったんじゃないの?品質の違いにゃんか分かるの?
ジョンス
ジョンス
コラコラ、馬鹿にするなよー!!ワインショップ巡りして飲んだくれてるだけじゃないんだ(苦笑)

といっても実はこういう類のセミナーってめちゃくちゃ久しぶりだったんですよね。こういった感じで真面目にテイスティングするのも結構久々だったと思います。確かに、全然当たってないところもあったりしましたが、感覚としてきちんとしていた部分もあって、自分の場合どこが良くてどこかダメか、改めて確認できて、その意味でも非常に有意義でした。キャリブレーションのような感覚ですよね。

大橋MWティスティングセミナー
1つの長テーブルに1人のみ着席する体制で開催された。白ワインのフェノリックな味わいの部分について英語で表現する場合に選ぶべき言葉の紹介などもされた。

今回のセミナーの内容でとても印象的だったのは、WSET Diplomaレベルで行われるテイスティング評価手法のBLICT(Balance, Length, Intensity, Complexity, Typicityの5つ)。その中でも、余韻(Length)について、フレーバーではない余韻もたくさんある、という話。MWの中でもトップレベルのJamie Good(ワインライターでもある)が、ある余韻を”huge mineral power and lazor precision”という表現をしていた、というのが、新しい視点をくれた気がしました。

またTypicityが最後なんだ、というのも勉強になりました。能書きは最後にまとめるのであって、最初に言うべき話ではないと。

また最後にIWC(International Wine Challenge/世界最高峰のワインコンペティション大会)のCo-Chairmanであるサム・ハロップの言葉を引き合いに出していたのも印象的でした。

No one is wrong, no one is correct.

やはり時々こういったセミナーに参加しないとダメですねー。

キャプランで出されたワイン