23区北側/Central Tokyo North

ヴァンダンジュ

Key Features

・低価格帯のワインセレクトが魅力
・取り扱い国も多数
・スパークリングワインのセレクトも魅力
・フランスワインは少し高級なラインナップも
・オールドヴィンテージの取扱いもあり?

小さな店舗ながら、バランスのいい品揃え。「ワインをもっとデイリーなものに」というのがコンセプトのワインショップ、ヴァンダンジュ(Vendanges)。

このお店は、千代田線の北綾瀬駅からが一番近いのですが、徒歩だと20分くらい。綾瀬駅、亀有駅、八潮駅からバスが近くまで出ているようです。お店は閑静な住宅街にひっそりと佇んでいます。外観は冒頭の写真の通りですが、雰囲気のある可愛らしいお店。

中に入ると、小さなお店ながら、おぉいい感じだなぁ、と思わされます。お店の中心にロの字型の棚があり、その周りの壁沿いにも棚がある、という陳列。なぜ「いい感じだなぁ」と思ったかというと、2つ理由があります。

・1つはロゼ。この規模(恐らく店頭に置いてあるのは200~300アイテムくらいかと)のお店でロゼが10本近く置いてあることは少ない。こだわりを感じますよね。
・スーパーでも販売しているようなワインがそれなりに置いてあるワインショップも結構多いですが、このお店ではそういうワインは少ない。(とはいっても最近はスーパーによっては品揃え充実してるところもありますが。。)

なので棚に並んだワインを見ていると結構楽しい。

ワインショップ ヴァンダンジュ 店内1
入口から撮影。小さな店舗に数多くのワインが綺麗に並べられている。

それと、このくらいの面積のお店だと、この真ん中に棚を置くスタイルはあまり見ないですね。オーナーによっては死角となる場所ができるの嫌がる人もいますので。正確なところは分かりませんが、できる限り多くのワインをお客さんに紹介したい、というオーナーの想いを(勝手にですが)感じました。

しかも結構色々な国のワインが置いてあります。フランス、イタリア、スペイン、といった旧世界のワインから、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリといった新世界のワインまで、幅広く置いてあります。

ワインショップ ヴァンダンジュ 店内3
お店入って右の壁際の棚。下2段はアメリカのワイン中心。上の棚は色々な国のワインが。ルーマニアのワインなんかも。

こだわりあるハイコスパワインのセレクト

先ほど述べましたが、「ワインをもっとデイリーなものに。」がヴァンダンジュのコンセプト。このコンセプトにあった価格帯のワインが多いのがこのお店の最大の特徴の1つです。私がお伺いしたとき(2020年11月)には、お店にあいてあるワインの多くは1,000円~4,000円くらい。スパークリングも2,000円台~3,000円台くらいの価格レンジのものが多い印象でした。しかもそのセレクトがいい。少なくとも個人的にはかなり好き。

後ほど出てくるアルザスの著名な自然派の造り手、マルク・テンペのヴィンテージクレマンもそうですが、例えばオーストラリアのワイン。オーストラリアワインは少しだけ置いてあるのですが、私が伺った際にあったこの白ワインもいい。

Logan シャルドネ
樽の風味のバランスがいいLogan Winesの白ワイン。

オーストラリアのシドニーから西に飛行機で1時間ほど行ったところにあるオレンジという標高が高く寒冷な気候の地区にあるLogan Winesのワイン。セパージュはシャルドネ。天然酵母で発酵、約半分がフレンチオークとハンガリアンオークにて熟成し、もう半分がステンレスタンク熟成。バニラ感まではいかない、心地よいナッツ感に心地よいミネラル感があり、フルーツの香りはストーンフルーツ系が中心であるものの、少し柑橘系フルーツの皮のような香りも相まって、飲み続けられるワインなんですよね。昔これを飲んだときにハイコスパだなぁ、と思ったのですが、ワインショップで見たのは初めてでした。

そんなハイコスパなワインが数多く並べられています。

スパークリングの品揃えも充実

個人的な感想ではありますが、ヴァンダンジュのもう1つ特徴的なところとしては、このお店の規模の割にスパークリングが結構充実しているところ。他のお店ではあまり見ることの少ないものが置いてあります。

ワインショップ ヴァンダンジュ 店内2
全部のワインではないものの、非常に詳細なコメントがつけられている
マルクテンペ クレマンダルザス
自然派マルク・テンペ。このヴィンテージクレマンもあまり見かけない
Kiriyani スパークリング
ギリシャのKiriyaniのスパークリングは初めて見た!

デイリーでワインを飲むことを考えると、日本の食卓ではスパークリングワインって多くの方にとって楽しみやすい気がするんですよね。食事とも非常に合わせやすい(マリアージュとまでは言わなくても、外れにくい)。でもデイリーとか毎週末に毎度毎度美味しいシャンパーニュを飲む、というのはちょっとハードルが高い。かといってちょっと良いのを飲みたい。そんな人にとっては1000円台後半~3000円台が多い高品質のスパークリングワインのラインナップは魅力的で、お店のコンセプトがそのまま伝わってくるような品揃えだなぁ、と感じました。

ちなみに少し価格レンジの高いシャンパーニュもあります。他では手に入りにくいものもありました。自分がお伺いした際はこんなのもありました。ジャック・セロスの当主アンセルムの最後の弟子と言われる(でも実際はむしろ初期の頃の弟子のようです)ミニエール兄弟によるシャンパーニュ。人気で市場に出回る数が少ないので、いつもすぐ売り切れになってしまうようです。

シャンパーニュ Miniere F&R

店主がセレクトするハイレンジワイン

店頭には、価格帯が低めのワインが多く並ぶものの、特にフランスワインを中心として、5,000円を超えるワインも結構置いてあります。オーナーご自身もフランスワインが好き、とおっしゃっていました。

ワインショップ ヴァンダンジュ ワインたち
ドミニクローランのワインたち
ブルゴーニュ及びボルドー中心。

また店頭には見られなかったものの、こちらのお店のオーナーに相談すれば、オールドヴィンテージのワインも色々手に入るかもしれません。

というのも、ワインショップ・ヴァンダンジュのオーナーの酒井さんは、ワインのインポーターにて働く傍ら、兼業としてこのお店を立ち上げて運営されているんですね。お店を始めてからもう8年目になる、と伺いかなり驚きました。ダブルワークでお店を運営されるのは本当に凄い。

勤め先のインポーターが古酒とかに結構強いそうで、そのため店頭になくてもオールドヴィンテージのワインについては相談可能なようです。

誰かへの贈り物として誕生年のヴィンテージワインが欲しい、古酒で面白いものを飲んでみたい、という方も一度相談に訪れてみてはいかがでしょうか。

良いワインショップは地元に溶け込み、そしてその周りに住む方たちにとってはちょっとした「非日常的な日常」な空間になる。そんな良い一例となっているであろうお店、ヴァンダンジュ。Vendanges(フランス語で「収穫」という意味)というお店の名前のとおり、この地域の人にとって多くの収穫・実りのあるワインショップです。

General Information

ワインショップ ヴァンダンジュ(Vendanges)
住所:東京都足立区佐野2-30-4
電話:080-4062-0524
定休:水曜日、祝日
Web:https://ameblo.jp/vendanges/