・宇都宮駅から車で約10分
・数多くのアイテムを見ながら長居したくなるお店
・リーズナブルなワインから超高級ワインまで
・ペアリングワイン付ディナーコースも楽しめる
・アイコン的存在の猫ちゃんが可愛い
旅行の帰りに宇都宮に寄って餃子を買って帰ろう。そう妻と話をして宇都宮に立ち寄ることになったので、せっかくなのでワインショップ良いところがあれば寄りたいな、と思い探して辿りついたのがここ。中川酒店。
宇都宮駅から北に車で10分弱。八幡山公園という宇都宮を一望できる大きな公園からほど近くの場所に、中川酒店があります。
上の写真でもわかると思いますが紫色のサンシェードがかかっています。これの意図は聞くの忘れましたが、お店の外の窓部分にサンシェードが昼間かかっているところは結構ワイン本気のお店が多いんですよね。というのもワインは光に弱い(長期的に強い日光の下に置いておくとワイン内で化学反応が起きてしまう)ので、サンシェードで日の光が強くワインに当たらないようにするわけです。ちゃんとしているお店は結構気を使っています(以前ご紹介した千葉のマキノ酒店さんとか)。そんなわけで「結構ワインありそうだなぁ」なんて思って中へ。
中に入ると、、、おぉ、ワインめちゃくちゃある!驚きました。オーナーさん曰く、裏にある在庫もカウントすればアイテム数ベースでも1,000はあるとのこと。
想像以上にワインが多くあったのでウキウキしながら並べられたワインを見ていると、あぁこれはすごくいいお店だなぁ、と思わされるポイントがたくさん見えてきます。
長居したくなる心地いい店内
まず特徴的なのが、非常に丁寧なコメント。ほとんどすべてのワインに丁寧なコメントがふってあります。中川酒店さんは卸はやっていないそうで、お店に来る方だけが中川酒店さんのお客さん。卸も含めてやっていると新しく仕入れるワインにコメントを丁寧にふる時間がなかなかない、、、なんて話も時々聞きますが、こちらのお店では本当に丁寧にコメントがふってあるんですよね。だから「へぇこんなワインもあるんだぁ」「こっちのワインも良さそうだなぁ」なんてワイン探しに耽って(ふけって)ついつい長居しちゃう気がします。私もお伺いした時、家族を外で待たせている中でついつい多くのワインコメントを読み耽っている自分に気づきました。。。
しかもお店の作り方として、(上の全体を写している写真見ると分かりますが)中央に棚がないですよね。圧迫感がない。Barもやられているから圧迫感がないのは大切だし、地震対策としても高いワインは棚に置くのは少しリスクがある。そしてお店が見通せるから万引き等のリスクも減らせる、など、色々理由はあるかもしれませんし、その訳も尋ねていませんが、棚がないから見通しも良くて気持ちい。そして見る方も偏見を持ちませんよね。棚があると、中央に並ぶものと一番上の段と一番下の段で、探しやすい、探しにくい、といったことがあったり、一番下の段のワインは取り扱い本数が少ないから下なのかな?人気がないのかな?逆に人気?なんて余計なことを考えることが稀にあります(私の性格が捻くれているだけだったりして。。。)。けどこうやって高い棚が少ないと、そういう風にワインを見ることはないなぁ、と改めて感じました。
そのような丁寧かつオープンな雰囲気と、またこの後触れる幅の振り切ったバリエーションのある品揃えも相まって、長居したくなっちゃうんですよね。なんだか。
偏見のない、めちゃ幅広い品揃え
そうなんです。品揃えにも中川酒店の魅力が。全く偏見がないワインのチョイス、だからか幅がかなり広い。取り扱っているワインのタイプにかなりバリエーションがあります。ややフランスワインが多かったり、国によって本数が多い少ないはあるものの、非常に様々な国のワインを取り扱っていますし、クラッシックなワインから自然派のワインまで様々。
上の写真にある棚には1,000円台から3,000円台くらいまでのワインが並んでいますが、他のお店でも見たことあるし飲んだこともある(そして美味しかったなぁ)、というものから、おぉこんなのあるんだ、というものまでが並んでいました。オーナーさんにお伺いして購入したイタリアのアルバーナという地葡萄で作るワインも珍しいものですが、力強いもののフェノールのグリップと酸のバランスが良くて美味しかったんですよね。
一方、お店の中央には3,000円から10,000円くらいまでのワインがずらりと並びます。この辺りはかなり魅力的なものがありました。うーん凄い。例えばこういうクラッシック系なものもたくさんあるんですよね。
こっちもクラッシックなんですけど、ラベルはファンキー。
かと思えば自然派ワインもあるし、こんなものまで。ニュージーランド・マールボロ地区の3人のワインメーカーが匿名で作る変わりものワイン。
更に価格帯も、紙パックのワインから、あの生産者のクロ・パラントゥまで。。。ここまで店頭に並ぶワインにバリエーションがあるのは個人店舗では結構珍しい気がします。
お店の奥のセラーには高級な価格帯のワインや珍しいものなどがずらり。。。口がアングリと開いたまま塞がらないものが。。。いやもう凄すぎます(敢えて写真は載せません)。高級なワイン、というだけではなく、例えばオーストリアの名生産者、Pragerのワインなど、「おぉこういうの置いてあるとやっぱり目利きだなぁ」なんて思うものなど、様々。
4代目のご主人と奥様が気軽なワインの楽しみ方を提案
ワイン専門店&ワインバー、中川酒店は、明治時代に創業して100年以上の歴史がある老舗。昔は様々なお酒を扱っていたそうですが、今の4代目のご主人、英生さんがお店を継いでから、「生き残るためにも差別化を図らないと」という想いで「何ができるかな」、と考えていたところ、あるワインとの出会いがあり、それをきっかけにワインに更に興味を持ち、ワイン専門店に転身したそうです。
英生さんはワイン専門学校でテイスティングを学んだり、酒販店で競う製品ディスプレイコンテストに出場するなどして数々の賞を受賞、奥様のあゆみさんと共に海外のワイナリーを巡るなど、様々なものを体験して今に至るそう。唎酒師であり、フランスワインの小売伝道師、コンセイエでもあります。
「日本酒などと比べて流通がフランクなところがワインのいいところですよね」と話すのが英生さん。付き合いの深いお店にだけ商品を下ろす、ということが少ないのがワインだそうで、確かにそうかもしれません。だから偏見が少ないのかな、という気も。付き合いで仕方なく仕入れているワインもある。そう言ったお店もありますが、「オススメのワインと尋ねられても、全部オススメですからねー」と楽しそうに話す英生さんの表情が、お店の品揃えの良さを物語っていました。
また英生さんは体質的にアルコールをあまり受け付けないそうで、ワインは完全にテイスティングで飲みたいかそうでないかを決めているそう。「この辺りでは薄ウマ系のワインはあまり多くの方に好まれないから、そういうのは少ないかもしれないけど、でも自分が好きなワイン、みなさんが喜びそうなワインを幅広く選んでいます」とのこと。やっぱりだから偏見がないのかなー、なんて合点が行きました。「いやいやワインは妻の方が専門だから」とおっしゃっていたので、奥様のあゆみさんも凄いんだなぁー。なんて思っていたらそれもそのはず。日本ワインアカデミーというワインスクール主催のブラインドテイスティング大会(2002年)で準グランプリ。そしてあゆみさんもコンセイエ。いやはやご夫婦揃って凄いです。
そしてご夫婦2人でやられているワインショップとして珍しいのが、ワインと食事のペアリングディナー提供。お店を入ったところすぐがカウンターになっているんですね。そこで食事とワインを楽しめる、という。
「ワインを気軽に楽しんでほしい」というお2人の想いが出ているペアリングコース。気軽、とは言いつつ料理がかなり本格的。。。良質な食事と良質なグラスワイン4杯で1.1万円はかなりリーズナブルですね。。。飲み足りない方は少額の抜栓料を払えばお店のワインを追加で飲むことも。いやぁ、宇都宮、今度泊まりに来ようかな(笑)
そしてこんな素敵なお店のマスコット的な存在が猫ちゃん。飼い猫が2匹?いるようなのですが、私がお伺いした際はカウンター横で静かに寝転んでいました。その後ちょっと起きたけどとても静か。。。
いつもワインを見て何を思っているんでしょうね。
お店を経営する英生さんもあゆみさんも、猫ちゃんも、ワインの品揃えも、コメントも、食事も、お客様想いが溢れていて、お洒落ながらなんだかほっこりする中川酒店。宇都宮に立ち寄る際は、タクシーに乗ってでも行くべきワイン専門店です。
General Information
ワイン専門店 & ワインBar 中川酒店
住所:栃木県宇都宮市上大曽町331−1
電話:028−624ー8558
定休:月曜日、毎月最終火曜日
WEB: https://nakasake.net/