1,000円台〜2,000円台

[赤ワイン] Les Grimaudes / Marc Kreydenweiss

Les Grimaudes wine

このワインは、自分が飲んだ1本がたまたまそうだった、ということかもしれませんが、程良ければ還元(Reduction)が良いミネラル感を引き出す、ということをまざまと感じさせてくれた1本。

Domaine Mark Kreydenweiss(ドメーヌ マルク・クライデンヴァイス)と言えば、アルザスでは有名な自然派ワインの作り手ですよね。今は息子さん(長男?)のアントワーヌさんがこのドメーヌの当主となっていると思います。このドメーヌのワインは自然派だけれどもアクが強すぎない、落ち着いた感じの味わいが多いと思っていて、個人的に非常に好感を持っているドメーヌの1つ。下の写真がこのドメーヌのアルザスワインのエチケット例ですが、毎年変わるんですよね。

アルザスのリースリング。

こちらはクレマンダルザス。

このMark Kreydenweissがローヌ/ラングドッグのちょうど境目あたりにあるCostières de Nîmes(コスティエール・ド・ニーム)でもワインを作っているのは知りませんでした。コスティエール・ド・ニームは元々はラングドックのAOCだったようなのですが、ローヌ川流域にあるということで、何度かローヌのAOC担ったりラングドックになったりというのを繰り返し、現在はローヌの最南にあるAOCになっています。

Les Grimaudes Mark Kreydenweiss ワイン

抜栓してグラスにワインを注ぐと、色が結構濃い。そりゃローヌとかラングドックのワインであればそうだよね。と思って香りを嗅ぐと、黒スグリなどの黒系果実にラズベリーなどの赤系果実の香りが混じっていて、その中で還元臭が強くはないものの出ていて、「あぁもうちょっと還元臭弱いといいんだけどなぁ」というのが最初の印象でした。

そう思いながらワインを口に入れると、、、なんと薄旨系。味わいが濃くない。そして非常にストーニー(Stony・濡れた石のような)なミネラル感。口中から、そのストーニーなミネラルの香りと、弱めの還元臭が両方鼻にあがってきて、「あぁやっぱり還元がこのミネラル感出してるんだなぁ」というのをまざまざと感じました。

タンニンは非常にソフトで、酸味はかなりしっかりある。バランスから言えばもう少しボディに厚みがあればなぁ、なんて思って飲んでいました。

しかし時間が経つと変わりました。まず還元臭はなくなりました。あー、やっぱりマルク・クライデンヴァイスのワインは凄いなぁ。いわゆる自然派ワイン、と呼ばれるワインの還元臭って結構取れないことが多いんですよね。個人的には還元臭が相当弱いレベルでないと、匂いが取れない限り最後まで美味しいとはなかなか思えない。今までマルク・クライデンヴァイスは結構飲んでいますが、どれも結構クリーンなんですよね。凄い。

香りは黒系果実と赤系果実が折り混ざってあがってくるのは変わらず、その中にリコリスのようなスイートスパイス、少しエルダーフラワーのようなスパイシーな花の香りもする。ほんの少しバルサミックな感じもしました。結構色々なレイヤーの香りがあがってきます。

味わいも変化してきて、少し厚みも出てきて、酸とのバランスが取れてきます。相変わらずストーニーなミネラル感は維持されていて、フィニッシュもフルーツ感よりもミネラル感が残る感じ。ちょっと出汁感もありました。

価格は2,000円台前半。マルク・クライデンヴァイスのワインは価格帯が低いものでもしっかりその価値を出してきますが、これもこの値段で飲めることを考えるととてもいい。ワイン消費者としては本当にいい時代だなぁ、と。(ブルゴーニュやボルドーワインについは昔のほうがいい時代だったんでしょうが)

なお葡萄品種はカリニャン、グルナッシュ、ムールヴェードル、シラーのブレンド。この順番で同ドメーヌのテクニカルシートに記載がされていましたが、AOCの規定上は、カリニャンは補助品種なんですよね。グルナッシュ、ムールヴェードル、シラーで60%以上が規定。ただマルク・クライデンヴァイスはカリニャンにその可能性を感じて、1999年にこのPerrier Estateを購入したようです。だからなんでしょうか。

2016年にマルク・クライデンヴァイス氏の次男のJeanさんがこのローヌのドメーヌを継いだようです。彼はアルザスでの造り方よりも発酵期間を短くすることで、”more freshness and tension”を出すワインを心がけているよう。今回飲んだLes Grimaudesは葡萄を手摘みで収穫、コールドマセラシオンを少ししたのち、野生酵母で発酵。発酵期間はテクニカルシートには記載ありませんが他のサイトで見る限り5日前後?そして熟成はアルザスと同じくフードルを使い12ヶ月。

これはこのドメーヌのエントリーキュヴェ。このドメーヌには樹齢100年を超えるカリニャン100%で造る赤ワイン、”Ka”があります。AOC規定を外れているので、AOCコート・デュ・ローヌになるんでしょうかね。いつか飲んでみたいです。

マルク・クライデンヴァイスのローヌワイン。お試しあれ。

Les Grimaudes 2017 / Marc Kreydenweiss 

生産者:Marc Kreydenweiss(Domaine des Perrieres)

輸入元:テラヴェール

購入店:はせがわ酒店 本店