・世田谷線 松陰神社前駅からほど近くのお店
・イタリアワイン専門店
・価格帯はかなり幅広い、豊富な品揃え
・自家製デリがめちゃくちゃ美味しい
・オーガニック食材の取り扱いも
イタリアワインって、もうそれだけで他の国のワインは不要、と言われるくらい、様々な葡萄から数多くのタイプのワインが作られていますよね。だからかもしれませんが、イタリアワイン専門店もお店によって雰囲気も千差万別。そのため、イタリアワイン専門店、と言ってもそのお店によって出る色は結構違います。
たまたま見つけたこちらのお店、Cucina Felice(クチーナ・フェリーチェ)さんは、そんな数あるイタリアワイン専門店の中でもよりアットホームな雰囲気。そして取り扱っているワインは(かなり幅広いものの)穏やかなものや力強さがあってもエレガント系なものが比較的多い(詳細は後述)。オーナーご夫妻もとても優しく、魅力的な雰囲気と品揃えからハッピーな気持ちをお裾分けしてくれるような、そんなお店が世田谷・松陰神社前にありました。
吉田松陰を祀る松陰神社のすぐ近くにある商店街。お洒落なお店で賑わっていますよね。でも閑静さもあって、松陰神社前、いいところです。そんな松陰神社前の交差点から世田谷通りぞいに少し歩くと、クチーナ・フェリーチェがあります。
お店の正面に立つと、ワインショップなんだ、ということには当然すぐ気がつきますが、同時にデリ等の食材も扱っているんだな、ということにも気付きます。お店の表にある看板にその辺りの記載があり、また入り口からもお惣菜・デリ等が並べられたショーケースがちらりと見えるためです。(デリについても後述)
ワインのタイプも価格帯も幅広い品揃え
お店の中に入ると、ちょっと驚いたことに、キッチンがあります。お店の奥の方、見えないところに小さなキッチンがあるお店はそれなりにありますが、お店の中心にキッチンがあるワインショップは少し珍しい。でもこのキッチンで後述の美味しい自家製デリが作られているので、キッチンは正にこのお店の柱。だからなんだかアットホームに感じたのかもしれません。そのキッチン前のカウンターを囲むようにして、ワインや食材がずらりと並んでいます。そしてお店の奥の方にも、数多くのワインが。
クチーナ・フェリーチェで取り扱っているイタリアワインをざっと見たところ、置いてあるワインの価格帯のばらつきが通常のワインショップよりもより広い感じがしました。私が結構地方のワインショップを巡っているからかもしれませんが。。。2,000円台や3,000円台のワインが多い、ということもありません。都会のワインショップってこういう感じかも?2,000円から10,000円くらいまでのワインが多く、強いて言えば3,000円〜7,000円くらいの価格帯のワインがより充実している印象ですが、1万円くらいまでで色々な価格帯のワインがそれなりの数取り揃えられています。1万円を超えるワインも結構ある。世田谷の客層から来る品揃えなのかもしれませんが、それだけ色々なタイプの消費者のニーズを拾ってくれる、懐の深い品揃え。
価格だけではなく、置いてあるワインのタイプも様々です。例えばスパークリングワイン。
スパークリングワイン(スプマンテ)はイタリアと言えば瓶内2次発酵(シャンパーニュ製法)で造るフランチャコルタ、あと比較的フレッシュでフルーティ、時々少しフラワリーな香りも伴ったプロセッコ、あとエミリア・ロマーニャで造られるランブルスコ(赤)が有名ですよね。その辺りの品揃えがメインでスパークリングワインを取り扱っているお店もありますが、クチーナ・フェリーチェさんではもう少し取り扱いの幅が広い。上の写真の手前はレ・マルケジーネという老舗ネゴシアンが造るフランチャコルタですが、その奥にはマルケ州(イタリアの中央東側)でヴェルデッキオという葡萄品種で作られるスプマンテ、そしてその奥にはトレンティーノ・アルト・アディジェ州(イタリアの最北の州でアルプス山脈沿い)で作られるRotariのスプマンテ2種(1種類はノンドザージュであまり見かけない)。そして私が購入したのは下の写真、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州でリボッラ・ジャッラという、フリウリでは有名な地葡萄で作られるスプマンテ。こんな感じでラインナップが幅広い。その他のフランチャコルタを始めとしてもっと価格帯が高い泡もあります。
もちろんスティルワインもかなり数多くのものがあります。下の写真にあるように、1,000円台のソアヴェから、高級ワインまで、かなり幅広い。イタリアの地葡萄で造るワインから、メルローとカベルネフランのブレンド、といったものまで、イタリアワイン専門店でないとなかなか出会えなさそうなものがたくさん並んでいます。店頭に並んでいるワインのアイテム数としては400-500くらいだそう。
えー、こんなのあるんだ!というイタリアワインとの出会いが見つかるかもしれませんね。
オーナーご夫婦のこだわりが散りばめられたお店
クチーナ・フェリーチェさんは、2006年にオープン。お2人ともイタリアワインやイタリア料理がとても大好きであるため、本業態にてオーナーご夫婦で開業し、もう15年もこのお店を営んでいらっしゃいます。ご主人の智泰さんは大学卒業後に食品メーカーで勤務した後、外食産業に従事されていて、脱サラをしてお店をオープン。奥様の喜子さんは商社勤めの後、フードコーディネーターの資格を取得後、フィレンツェにて料理を学んだそうです。
「私があまりパンチの強い、濃いワインを好まないこともあって、お店に置いてあるワインとしてはそういったワインは少ないかもしれません」と智泰さん。確かにイタリアワインはプーリア州で作られているプリミティーヴォという葡萄品種で作るワインのようにとても濃厚なワインもありますが、そういったものよりも、もう少し穏やかなワインだったり、力強さがあっても酸味もしっかりあってエレガントなスタイルのワインのが全体的に多いようです。逆にそういう味わいのトーンを中心として、幅広い品揃えのワインが展開されている、とも言えるかもしれません。
私も濃いワインはあまり飲みません。その意味でもとてもフィットしました。こういった好みは、白ワインのチョイスでも結構現れます。今回白ワインでオススメしていただいて購入して飲んだこちらのGaviも、とてもよかったんですよね。素晴らしいバランス感。エレガントなワインがお好きな方はもう自分の好みを伝えるのではなくて、ご主人の智泰さんに好きなワインを教えてもらってそれを購入する、というのもいいかもしれません。(別の投稿(「店主の好きなワインを尋ねよう」)でお伝えしている通り、自分の好みのワインを伝えて、それでオススメを選んでもらう、というのは結構難しいですからね。)
一方奥様の喜子さんが料理や食品を担当されている、ということで、輸入食品もこだわりのあるものばかり。パスタ、パスタソース、ハム、オリーブオイル、バルサミコ、乾燥類、調味料やスパイス、アンチョビ、ジャムなどなど、オーガニック系のものを中心に選りすぐりのものが置いてあります。こういうのだけでもゆっくり見て楽しめちゃいますね。
自家製のデリ&オーダー料理
そしてなんといっても料理を担当されている喜子さんが作られている自家製のデリが、ワインと共にこのお店の売りの1つ。私の妻がキッシュが大好きなのでキッシュを購入していったのですが、めちゃくちゃ美味しかった。。。私の妻も結構料理好きなのですが、この日は車で移動していて、車の中で妻がキッシュを食べながら「なんでこんなに美味しく作れるんだろうか。。。」と言いながら、あっという間にペロリと平らげました。
私がお伺いしたときには、キッシュの他にも岩中豚肩ロースとポルチーニの赤ワイン煮込みとか、マグロのエキストラバージンオイル漬け、余市ムールの白ワイン煮、ホタルイカと新じゃがのアーリオオーリオなど、心そそられるものばかり並べられていました。メニューは当然その時々で変わるようです。
ワインは購入せずにデリだけを購入してい帰るお客さんも間違いなく結構いらっしゃるんでしょうね。でもそのうちワインも一緒に買って飲んでみようかしら、という気分になるかもしれません。これだけイタリアへのこだわりを満喫できると、きっとイタリア気分に浸りたくなるはず。
なお私がお伺いした時は新型コロナウイルスの影響もあってキッチン前のカウンターもワインが並んでいましたが、供出される料理をカウンターで召し上がることもできたようです。またそのように戻るのかもしれないですね。
クチーナ・フェリーチェ。イタリア気分を満喫して非日常に囲まれて、でもアットホームで。「幸福食堂」という意味の店名にふさわしい、ほっこりと幸せな気分になれるお店です。
General Information
Cucina Felice (クチーナ・フェリーチェ)
住所:東京都世田谷区世田谷4-5-2
電話:03-3439-7111
定休:月曜日・火曜日
HP :https://www.facebook.com/CucinaFeliceSetagaya