・清澄白河駅から徒歩5分
・1,000円台から3,000円台のワインの品揃えがかなり充実
・もちろん高価格帯のワインもあり
・様々なスタイルやタイプのワインが取り揃えられている
・オーガニック栽培のワインや自然な造りのワインが比較的多め
これまで(このウェブサイトにまだ記事をアップできていないお店を含めて)様々なワインショップに行っていますが、特に東京都23区内のワインショップでは、リーズナブルな価格帯のワインを結構扱っている、といっても、エントリーレンジとして1,000円~3,000円くらいのワインが置いてあって、メインどころやボリュームゾーンは3,000円以上とか5,000円以上のワイン、というお店がかなり多い。
でも、家飲みで毎回そんなに高いワインは買っていられない。。。ただ、2,000円前後で美味しいワインに出会うのは(ワインに飲み慣れれば慣れるほど)正直なかなか難しい。そこまで頻繁にワインを飲んでいるわけではないけれどワインは好き、という方にとっても、そのくらいの価格帯で美味しいワインを多く扱っているところがないかなー、なんて思っている方も少なくないのではないでしょうか。
そんな悩みを解決してくれそうなワインショップは、郊外にはあるのですが、さすがに23区内、しかもお洒落な町にはないか、、、と思っていたら、、、
あるじゃないですか。びっくりした。
「2,000円前後で美味しいワインを」がコンセプト。
ワインショップ アンジュール(Wine Shop Un Jour)は、コロナ禍中の2021年4月オープン。オーナーの伊倉さんは元々フレンチレストランでソムリエとして働いたのち、ヴィノスやまざき、そして更に白金台にあるワインショップでの勤務を経て、ご自身のお店をここ清澄白河でオープン。
「2,000円前後で美味しいワインを」
というのがコンセプトのこちらのお店では、その通り、その価格帯のワインが充実しています。
「やっぱり、このくらいの価格帯で美味しいワイン、飲みたくないですか」とオーナー兼店長の伊倉さん。本当にそう思います。でも当たり外れのどちらも多いのがこの価格帯のワイン。なのでなかなか良いものを探すのは大変なんですよね。その点、アンジュールはとても頼りになるお店。私、数本ここで購入しまして、どれも飲んだことないやつでしたが、いずれのワインもとても品質良かったんですよね。
例えばスパークリングワイン。上の写真で中央にあるのはカリフォルニア・ナパヴァレーにある、イタリア出身のオーナーたちによるCa’Momiというワインメーカーの泡。こちらのワイナリーのワインは「イタリアの家庭で家族と一緒に食事を食べながら飲むワイン」ということで、高品質でリーズナブルな価格帯のワインを作っていますが、まさにこのお店のコンセプトとぴったり。その左隣にあるのは、Methode Cap Classique(瓶内2次発酵)で作る南アフリカのスパークリングワイン。生産者のKroneは、Graham Beck(グラハムベック)やSimonsigと並び、南アフリカのCap Classiqueの代表格となる作り手ですが、なかなか普通のワインショップで置いているところはあまり見ないですね。そして更にその隣にはスペイン・CavaのBrut Nature(=ドザージュ、と呼ばれる、瓶内で2回目の発酵をさせるための糖分添加がゼロのスパークリングワイン)であるJazz Natureというスパークリングワイン。CavaはBrue Natureが味わい的には断然美味しいと個人的に思っているのですが、日本ではまだ見かけることは少ない。これら全て2,000円台のスパークリングワインなんですよね。
幅広い楽しみを教えてくれる、バラエティ溢れる品揃え
アンジュールには約300前後のアイテム数のワインが並べられているそうですが、1,000円台から3,000円台のワインがかなりの多数を占めている、ということの特徴に加えて、もう1つの特徴が、幅広いタイプやスタイルのワインがあること。
先ほどスパークリングワインをご紹介しましたが、紹介していなかった、上の写真のスパークリングワインの写真の一番手前にあるのは、Paul Humbrechtというアルザスの作り手のクレマン・ダルザス。更に価格は上がりますがシャンパーニュも置いてあるし、逆に更にリーズナブルなCavaやプロセッコも置いてありました。シャンパーニュにクレマン、プロセッコ、カヴァ、キャップクラッシック、アメリカのシャルマ方式の泡、あと別に自然派のアンセストラル(田舎方式)のスパークリングもあったりして、このような品揃えの仕方を見ていると、「より幅広いお客さんが楽しめる品揃えをしよう」とか、「より色々なワインを知ってほしい」、というオーナーの気持ちを(勝手な推測かもしれませんが)ひしひしと感じます。1,000アイテム置いてあるお店であればともかく、300アイテムくらいの取り扱いでここまで幅広いお店はそんなにたくさんありません。なんか良いですよね、こういうの。個人的にすごい好きです。
300アイテムくらいの取り扱い数でこれだけロゼとかを揃えているところにも、そのような心意気を勝手ながら感じちゃいます。
もちろん、白ワインも赤ワインもかなり幅広い。取り扱い国は、フランス、イタリア、スペイン、アメリカのワインが多い気もしますが、その時々でワインは結構入れ替わっているようで、最近だとギリシャワイン、はたまたルーマニアなどその他少しマイナーどころの旧世界のワインから、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど幅広い新世界のワインも置いてあります。強いて言えば、あくまで私がお伺いした時には、日本のワインはあまりなかった印象。(やっぱりまだ日本のワインは相対的に高い、ということを現しているかもしれません。。。)
価格の点でもカバーしている範囲は結構広い。すぐ上の写真はどちらも1,000円台のワインで、その更に上の写真のワインのほとんどが2,000円前後のワイン。リーズナブルな価格帯のワインもこのようにこだわりのあるセレクトながら、4000円以上の価格帯のワインもバリエーションに富んでいます。スタイルとしても、クラッシック系から、モダン系のワイン、はたまたオレンジワインまで。リーズナブルなものを、というコンセプトはそのままに、幅広いワインの楽しみ方を提案してくれています。
「自然」な造り手のワインが多い
それと、恐らくこのお店のもう1つの特徴は、リュットレゾネ(減薬農法)やビオロジック(有機農法)、またはビオディナミで醸造も自然な作りを目指す自然派の作り手などのワインがかなり多い、ということ。
先ほど紹介したスパークリングワインは全てリュットレゾネ、ビオロジック、またはビオディナミの生産者のもの。またすぐ上の写真に出てくるアルザスのマルセル・ダイスやマチュー・ダイスのワインも、ビオディナミですね。
とはいえ、非常に個性の強い自然派色の強いワインが多い、というよりも、とてもクリーンなものが多く、いわゆる「ナチュール」と呼ばれるタイプのワインにこだわらず、有機栽培や減薬農法なども含めたワインが多くを占めているイメージです。
自然派を扱うことが目的になっているわけではなく、美味しいと思うものの中で、より自然な造り手のワインを、といった感じなのかもしれません。個人的には、自然派ワインや有機栽培のワインをメインに扱っている、ということを感じさせずにそういったものが多い、というのがとても理想的だなぁ、と思います。やっぱり、美味しい、ということは本当に大切。
清澄白河は、いつの間にか素晴らしいワインショップが集まる町になっています。
3,000円から6,000円くらいの自然派ワインを多く扱う、市松屋。
6,000円以上のワインしか置いていない、紹介制のワインショップ、おすぎ。
小型店舗ながら角打ちができる、いまでや清澄白河。
都市型ワイナリーの、フジマル醸造所。
そして、ワインショップ アンジュール。
清澄白河は、様々なワインの宝庫・ワインの情報発信地になりつつあります。
まだまだ知らない方も多いかもしれませんが、アンジュール、どんどん人気出てくること間違いなしです。
General Information
Wine Shop Un Jour /ワインショップ アンジュール
住所:東京都江東区白河3-1-18 1F
定休:不定休
WEB: https://wineshop-unjour.shop-pro.jp/
https://www.instagram.com/wineshopunjour/