このワイン、想像以上に良かったです。私はあまり同じワインをもう1度飲もう、と思わないのですが、これはもう1度飲んでみたいな、と思わせるワインでした。
青リンゴ系の香りにフラワリーな香りもあって、そこに凄いチョーキー(Chalky・黒板とかに使うあのチョークのチョークな香り。石灰系の香りですね。)な香りと同じような石灰タイプのミネラルなテイストが折り混ざってとても良いバランスが持続。
最初青リンゴ系の香りのみが強く、またアルコール感の香りの上がりが強かったので、そこでバランスを欠いている部分がありました。ただ時間の経過と共に落ち着いてきて、そこから味わいや香りも非常により静かに強くなってくる。とてもいいワイン。そうか、チョークの感じとフルーツ感と花の香りが合わさるとこうも芸術的な味わいや香りになるんだなぁ、と実感。
このワインが作られているのはイスキア島。って一体どこ?と思われるかもしれません。イタリアのナポリの近くなんですね。小さな島。実は何気にイタリアでは2番目に古いD.O.C.認定地域だそうです。白ワインではフォラステーラやビアンコレッラという葡萄品種で品質の高い白ワインが以前から作られている地域。火山の活動から生まれた島なので基本的に火山性土壌ですが、海水の影響で土壌が白色ではなく緑色になり、ヴェール・デ・トゥーフォ(緑の凝灰岩)と言われる土壌が多いようです。どうも島の西側の方がそういう土壌が多いのですかね。イスキア島では雨は北東部で多く降る傾向があり、カーサ・ダンブラの畑がある南西部ではあまり降らない。トゥーフォ土壌は脆く、しかし確か粒が小さい。そのために雨が降ると水分を保持する。土壌が脆いから根が地中まで入りやすく、そこで保持された水分を取る、ということなのでしょうか。
カーサ・ダンブラワイナリーのフラッグシップワインであるフラッシテッリの葡萄畑は標高400メートルから600メートルあたりという、イスキア島の中では非常に標高の高いところにあるようです。このワインの葡萄品種はイスキア島の土着品種、ビアンコレッラ。この葡萄品種自体の特徴はよく分かっていませんが、酸はそれなりに残る品種なんでしょうかね。苦味も少しあるのも特徴なようです。
イスキア島のワイン、ってあまり意識することなかったし、そもそも市場で見かけることも少ないですが、見つけたら色々試してみたくなりました。