埼玉/Saitama

酒乃おはこ屋

Key Features

・埼玉県吉川市にあるお店
・イタリアのクリーンな自然派ワイン専門店
・ワインの量り売りも実施
・畳の上で角打ちもできる?
・地酒の販売や食事の提供もあり

畳の上で胡座を書きながら家族や友人とワインを飲み、語り合う。家で飲みたい時は、厳選された自然派ワインを買って帰る。ちょっとだけ飲みたい時は、自然派ワインの量り売りで少量を買って帰る。こんなお店、他にはないんじゃないでしょうか。そんなお店が吉川にありました。

酒のおはこ屋外観
目の前は数台車が停められる一軒家。これが酒乃おはこ屋。

こういう一軒家が酒屋になっている、というのはなんか日本ならでは、という感じですよね。酒乃おはこ屋は、埼玉県吉川市、武蔵野線吉川駅から南に徒歩で10分ほど下った住宅地の中にあります。静かにそこに佇み、地元に愛されるお店、そんな印象を外観からも受けます。

お店の入り口に行くと、こんな看板が。

お酒が飲めなくても楽しめる酒屋。

酒屋でコーヒー、というのはとても珍しいですよね。どんな酒屋なんだろうか??

そんな思いを抱きながら中へ。

入り口を入るとすぐ右手には地酒がずらり。地酒屋、というだけあって、日本酒は結構な数が置いてあります。特に京都にある木下酒造さんが造る玉川という歴史ある日本酒のレパートリーが良さそうなんですよね。奥にも日本酒並んでいますが、あれ、ワインあるのかな?と少し見回すと、、、ワインセラーを発見。

酒のおはこやワインセラー

上の写真、ワインセラーの半分を写しているもので、こちらが赤ワイン、そしてその右側の反対部分に白ワインが陳列されています。おおよそ60アイテム、このセラー内の外にある数本を入れても70アイテムくらいでしょうか。

取り扱いをしているワインの数としては少ないは少ないのですが、酒のおはこ屋で扱っているワインには、大きな特徴があるんですよね。それが魅力。

間違いない。インポーター2社のイタリア自然派ワイン。

酒のおはこ屋さんはご夫婦で経営されている酒屋さんですが、以前は川口にお店を構えていたそうです。13年ほど前から川口で酒屋として営業をしていて、諸事情で2年ほど前に吉川に移ってきたとのこと。

今のお店は川口時代のお店ほど広くなく、ワインを置くスペースも限られている。

「あまり多く取り扱うスペース的な余裕もない。けど良い自然派ワインを揃えたい。そう考えた時、この2社のワインがあれば、まず間違いないと。」

そのような想いで、基本的にはその2社のワインに絞って取り扱っているそうです。

酒のおはこ屋 ワイン
好きな方はこれを見ればすぐ2社がどこか分かる?

上の写真の一番左のワインは、イタリアのフリウリでは超有名な作り手、Vodopivec(ヴォドピーベッツ)のワインです。地葡萄であるヴィトブスカにより造るワイン。ヴィンテージ2012年のがまだ残っているんですね。こちらのワインを輸入しているのは情熱のインポーター、Vinaiota(ヴィナイオータ)さん。その横にあるDamijan(ダミアン)のワインを輸入しているのは、こだわりのイタリアワインの造り手を取り揃えているeVino(イーヴィノ)さん。

イタリアの自然派ワインを取り扱うインポーターのうち、この2社があれば間違いないと。色々試して本当にそう実感しないと辿り着かない結論。そんな気がします。現在の吉川にお店を移す前の11年間の経験と努力から辿り着いた境地。この潔さが、厳選されたワインのみの取り扱い、ということを担保している。そうなのかもしれません。

こういうお店は、インポーターをも格上げし、だからこそWin-Winの関係が築けるんでしょうね。
(もちろん、今後もずっと2社のインポーターに絞るかどうかは神のみぞ知ることでしょうが。)

地域密着型の酒屋のあるべき姿?

酒乃おはこ屋のもう1つの魅力は、気軽にお酒や酒屋を楽しんで欲しい、という想いが前面に出ているところ。そう思います。そんな強い地域密度合いを感じました。オンラインでワインを買うことでは得られない体験がここにあります。

お酒を飲む気分じゃない日も、コーヒー飲むために酒屋に入って、酒屋のマスターとワイントークしながら、「ほなまた来るね」ってお店出ていく。そんなお店他にありますかね。。。これだけでも貴重。

そしてワインの量り売りをしているところは日本ではなかなかありません。酒乃おはこ屋では、通常のボトルの約半分以下の量を瓶に詰め替えて販売しています。

酒のおはこや内観1
ちなみに地酒も量り売りしている。

欧州にあるワインショップだと、ワインショップに樽でワインが置いてあって、みんなが空の容器を持ってきてお金を払い、その容器にワインを注いでもらって持って帰る、ということが結構行われています。これはどちらかというとワインをボトル以上の量で安く買歌めの習慣ですが、酒のおはこ屋での量り売りは、むしろ少量で楽しみたい方向け、という日本らしいアプローチ。私みたいに妻が赤ワイン飲まないけど赤ワインを飲みたい、でも1本は飲めないなぁ、という人には最高のサービスです。家が近ければすぐにワインが酸化することも(特に赤ワインの場合やオレンジワイン、フィルター弱めのワイン等は)ないかな、とも思います。

酒乃おはこ屋店頭試飲

また酒乃おはこ屋では、時々店頭試飲会を開催(開催状況は新型コロナウィルスのまん延の状況にもよると思いますのでお店にご確認ください)。駐車場があるお店はやっぱりここが強い。

酒のおはこ屋 店頭試飲会2
お店のFacebookページから拝借。ある日の試飲ワインたち。

あとご近所の飲食店とのコラボ企画もいいですよね。こういうのも時々やっているようです。普通にその料理屋さんに行くだけでは聞けないような話も聞けたり、普段会うことはない、でも同じ地元の方たちとも仲良くなれたりして、これも地域密着型店舗ならではの企画。

カレーライス、畳、そしてワイン。

酒乃おはこ屋さん、これまで触れてきた点だけでも結構特徴のあるお店です。しかし何と言っても珍しいのは、お店の中に御座敷がある。これです。

酒のおはこ屋内観 畳
これだけ見るとまるで蕎麦屋さんみたい。。。

お店の奥が小上がりになっていて、そこにこの御座敷があります。お店に御座敷があるのって別に珍しくはないのですが、本気でワインを取り扱っている酒屋(居酒屋ではなくて酒屋)に御座敷があるのは相当珍しい。

しかも提供されているのは食事は蕎麦ではなく、カレーライスとパスタ(笑)
とだけ書くと誤解があるので言っておきますが、おつまみ的なメニューもご覧の通り結構あります。

おはこ屋のカレーライス
野菜とスパイスたっぷりのカレー。
酒のおはこ屋おつまみメニュー
なんか珍しいものが結構ある。8番とか9番が気になる。。。

グラスワインの提供もやっているようなので、お昼にふらっと立ち寄って、スパイスと野菜たっぷりなカレーを食べながら、ワイングラスを傾けてみる。夜に親しい友人と、または家族と来て、御座敷でワインを飲みながら、友人、家族、そしてたまたま近くにいる地元の方と語り合う。いいなぁ。

こんなことができるのが、酒乃おはこ屋。

あったかい酒屋。ほっとする酒屋。

酒乃おはこ屋は、地元の方にとってのサードプレイス。

こういう自由さも、お酒のなせる技でしょうか。

General Information

酒乃おはこ屋
住所:埼玉県吉川市高富2-14-17
電話:048-972-6534
Web:https://www.facebook.com/sake0858/